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デイリーニュース:EU入出国管理システム(EES)4月10日に全面稼働——医薬品関税の詳細判明、USB-CノートPC義務化は4月28日

2026年4月4日(土)

EU入出国管理システム(EES)——4月10日に全面稼働

欧州委員会は、EU入出国管理システム(Entry/Exit System, EES)が4月10日に全29参加国で全面稼働すると発表しました。2025年10月の段階的導入開始以降、すでに4,500万件以上の入出国記録が処理されており、600人以上のセキュリティリスク対象者を特定しています。

EESの概要

項目 内容
全面稼働日 2026年4月10日
対象国 シェンゲン協定参加29か国
対象者 短期滞在の非EU国籍者(日本人含む)
記録内容 顔画像、指紋、旅券データ
置き換わるもの 従来のパスポートスタンプ
処理済み件数 4,500万件超(2025年10月以降)

日本企業・出張者への影響

  • パスポートスタンプの廃止:入出国は生体認証で自動記録。スタンプは押されなくなります
  • 初回登録:EES導入後の最初の入国時に顔画像と指紋の登録が必要(所要時間増加の可能性)
  • 滞在日数の自動管理:90日/180日ルールがデジタルで厳密に管理されるため、出張の日程管理がより重要に
  • 夏季の柔軟措置:加盟国は全面稼働後最大90日間(+60日延長可能)、EESチェックを一部停止可能

空港での処理時間は、導入初期に一部で最大70%増加したとの報告があります。出張計画では乗り継ぎ時間に余裕を持たせることを推奨します。


医薬品関税——詳細が判明、発効は120〜180日後

4月2日に署名されたトランプ大統領の医薬品関税に関する大統領令の詳細が明らかになりました。

発効スケジュールと免除条件

対象 関税率 発効時期
大企業の特許医薬品 100%(基本税率) 署名から120日後(8月頃)
中小企業の特許医薬品 100%(基本税率) 署名から180日後(10月頃)
EU・日本・韓国・スイスからの輸入 15%(貿易協定ベース) 同上
ジェネリック医薬品 免除
MFN価格合意+米国内製造合意企業 0%(2029年1月まで) 合意締結後

米国保健福祉省(HHS)との最恵国(MFN)価格合意と、商務省との国内製造合意を結んだ企業は**関税0%**が適用されます。すでに複数の大手製薬企業がこれらの合意に達したと報じられています。

日本企業への実務的影響:EU向けは15%で据え置きですが、米国市場向けのサプライチェーン戦略(EU経由の対米輸出を含む)は見直しが必要な場合があります。120〜180日の猶予期間中に対応策を検討すべきです。


ドイツ国内——4月の主な制度変更

1. 公務員等の賃上げ(4月1日施行済み)

連邦州の労働協約対象者約92万5,000人の賃金が2.8%引き上げ(最低+100ユーロ)されました。

項目 内容
対象者 連邦州の労働協約適用者(約92.5万人)
引き上げ幅 2.8%(最低100ユーロ保証)
施行日 2026年4月1日

2. 燃料価格1日1回値上げ制限(4月2日施行済み)

前日報じた通り、ガソリンスタンドの価格引き上げは正午の1日1回のみに制限。値下げの回数制限はありません。

3. USB-Cノートpc充電ポート義務化(4月28日施行)

EU共通充電器規制により、4月28日以降にEU域内で販売されるすべての新型ノートpcにUSB-C充電ポートの搭載が義務化されます。

項目 内容
施行日 2026年4月28日
対象 EU域内で販売される新型ノートpc
要件 USB-C充電ポートの搭載(240W超の機器は追加ポートとして)
背景 2024年末にスマートフォン等で先行施行済み
目的 電子廃棄物の削減、消費者利便性の向上

電子機器メーカーやIT関連企業は、EU向け製品のポート仕様を確認する必要があります。


経済環境——構造的課題への警鐘

今週発表された5大研究所の合同経済予測(成長率0.6%への下方修正)に関連して、複数のエコノミストが「イラン紛争以前から存在する構造的弱点」を指摘しています。改革なくして成長ポテンシャルの恒常的な低下リスクがあるとの警告も出ています。

財政赤字はGDP比3.7%(2026年)→4.2%(2027年)に拡大する見通しで、防衛・インフラ・気候変動対策への新規借入が主因です。


日本企業の注目ポイント

  • EES全面稼働(4月10日):EU出張者は初回の生体認証登録に時間がかかる可能性。滞在日数管理の厳格化にも注意
  • 医薬品関税:EU向け15%は確定。MFN合意で0%も可能だが個別交渉が必要。発効まで120〜180日の猶予あり
  • USB-C義務化(4月28日):EU向けノートpc製品はポート仕様の確認が必須
  • ドイツ人件費:公務員等の2.8%賃上げは民間の賃金交渉にも波及する可能性

本記事は、公開時点の報道・公表情報をもとに構成しています。政策の詳細や最終確定内容は、各公的機関の一次情報をご確認ください。

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