本日の注目
ドイツ3月PMI速報値——製造業は改善、サービス業は鈍化
本日発表されたHCOBドイツPMI速報値(3月)は、セクター間で明暗が分かれる結果となりました。
| 指標 | 3月速報 | 予想 | 2月確報 | 評価 |
|---|---|---|---|---|
| 製造業PMI | 48.3 | 47.0 | 46.5 | 予想上振れ・31カ月ぶり高水準 |
| サービス業PMI | 50.2 | 51.6 | 51.1 | 予想下振れ・4カ月ぶり低水準 |
| 総合PMI | 50.9 | 51.0 | 50.4 | ほぼ予想通り |
製造業は48.3と依然50を下回る縮小圏ですが、46.5から大幅に改善し31カ月ぶりの高水準を記録しました。ドイツ国内顧客の在庫補充需要が押し上げ要因です。一方、輸出受注は2カ月連続で小幅減少しており、外需の弱さが続いています。
サービス業は50.2と辛うじて拡大圏を維持しましたが、予想の51.6を大きく下回りました。新規受注は1年超ぶりの大幅減少となり、イラン紛争によるエネルギーコスト上昇と不確実性がサービスセクターの成長を圧迫しています。
ZEWとPMIの乖離をどう読むか
先週のZEW景況感指数(▲58.8ptの歴史的暴落、▲0.5に急落)が金融アナリストの悲観を示したのに対し、本日のPMI総合指数は50.9と拡大圏を維持しています。ZEW(約350名のアナリスト調査)とPMI(企業の購買担当者調査)の性格の違いが表れた形ですが、サービス業PMIの急減速はZEWの悲観と整合的であり、来週以降の企業マインドの変化を注視する必要があります。
欧州経済の見通し
ECBスタッフ見通し——成長率0.3〜0.4%/四半期を維持
ECBは3月理事会で預金金利を2.00%に据え置きました。同時に公表されたスタッフ見通しでは、ユーロ圏の成長率は2026年を通じて四半期あたり0.3〜0.4%の緩やかな回復を維持するとの見方が示されています。ただし、中東情勢により原油価格が100ドル/バレル超で推移した場合、成長率は0.1〜0.3ppの下方修正リスクがあります。
関税の影響——EUのGDP成長を0.5pp押し下げ
EYの欧州経済見通し(3月版)では、米国の関税措置がEUのGDP成長率を2026年に0.5pp押し下げるとの試算が示されました。影響が最も大きいのはアイルランドと北欧諸国です。
来週の注目イベント
| 日程 | イベント | 重要度 |
|---|---|---|
| 3月24日(火) | ユーロ圏PMI速報値(3月) | ★★★★ |
| 3月24日(火) | ドイツGfK消費者信頼感指数(4月先行) | ★★★ |
| 3月25日(水) | ifo景況感指数(3月) | ★★★★★ |
| 3月26日(木) | ECB経済報告 | ★★★ |
| 3月26日(木) | OECD中間経済見通し | ★★★ |
明日のユーロ圏PMI速報値は、ドイツの製造業改善がユーロ圏全体に波及しているかの確認材料です。2月のユーロ圏製造業PMIは50.8(44カ月ぶり高水準)でした。
最大の焦点は火曜のifo景況感指数です。2月は88.6(2025年8月以来の高水準)でしたが、ZEW暴落を経て3月はどの程度変化するか。ifoは約9,000社の企業調査のため、ZEWよりも実体経済に近い指標として注目されます。
TSMからのコメント
本日のPMI速報値は「製造業の底打ちとサービス業の減速」という二極化を示しました。ZEWの悲観に比べれば相対的にポジティブですが、サービス業の急減速は看過できません。火曜のifo景況感指数が、ドイツ企業の実際のマインドを測る最も重要な指標となります。日本企業にとっては、製造業の在庫補充需要の回復が取引機会のシグナルとなり得ますが、エネルギーコスト上昇の影響を引き続き注視する必要があります。
出典:S&P Global / HCOB PMI、ECB、EY European Economic Outlook(2026年3月)