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週刊ドイツ・EU市場レビュー:2026年2月9日〜15日

2026年2月15日(日)

今週のサマリー

今週のドイツ・欧州市場は、回復への期待構造的課題の両面が鮮明になった一週間でした。GDP成長率の改善と製造業受注の急回復が明るい材料となる一方、雇用環境の悪化やCBAM見直しへの産業界の反発など、課題も浮き彫りになりました。

今週の重要ニュース

1. ドイツQ4 GDP +0.3%、3四半期ぶりプラス成長

ドイツ連邦統計局は、2025年第4四半期のGDP成長率が前期比+0.3%であったと発表。3四半期ぶりのプラス成長となり、2025年通年でも+0.2%とかろうじてプラスを確保した。2年連続のマイナス成長を回避した形だが、回復力は依然として弱い。

2. ユーロ圏Q4 GDP +0.3%

ユーロ圏全体の2025年Q4 GDP成長率も+0.3%と堅調。ドイツの回復がユーロ圏全体を下支えした格好。

3. KfW、2026年成長予測を1.5%に上方修正

ドイツ復興金融公庫(KfW)リサーチは、2026年のドイツ経済成長率予測を従来比+0.5ポイントの1.5%に引き上げた。連邦政府の拡張的財政政策が当初想定よりも早く、大規模に実施されていることが主因。

4. ドイツ製造業受注、2年ぶり高水準の7.8%増

2025年12月の製造業受注は前月比7.8%増加し、過去2年間で最大の伸びを記録。5ヶ月連続の増加で、市場予想(-2.2%)を大幅に上回るサプライズとなった。

5. EU首脳、ベルギーで競争力強化サミット開催

EU首脳は2月13日、ベルギーのアルデンビーゼン城で非公式会合を開催。ドラギ報告書・レッタ報告書に基づく競争力強化策の実施加速について協議したが、具体的な進展は限定的との評価。

6. CBAM見直しに産業界が反発

EUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)に「キルスイッチ」を導入する計画に対し、肥料・セメント業界が反発。制度開始直後の弱体化は国際競争力を損なうとして再考を要請。

7. ミュンヘン安全保障会議開幕

2月14日にMSCが開幕。欧州防衛強化が主要議題で、5,000億ユーロの防衛特別基金が経済政策全体に及ぼす影響が議論されている。

今週のマーケット推移

指標 週初(2/10) 週末(2/15) 週間変動
EUR/USD 1.0468 1.0492 +0.23%
EUR/JPY 157.25 157.95 +0.44%
DAX 22,512 22,913 +1.78%
Bund10年 2.32% 2.41% +9bp

DAXは週間で+1.78%と堅調。製造業回復への期待とKfWの成長予測引き上げが買い材料となった。Bund利回りは財政拡大観測を受けて上昇。

今週の主要経済指標

発表日 指標 結果 前回
2/10(月) 独Q4 GDP(速報) +0.3% -0.1%
2/11(火) 独鉱工業生産(12月) +1.2% +0.8%
2/12(水) ユーロ圏Q4 GDP +0.3% +0.4%
2/13(木) KfW成長予測修正 1.5% 1.0%
2/14(金) 独製造業受注(12月) +7.8% +1.3%

日本企業への示唆

ポジティブ要因

  1. 製造業の回復基調:受注増加はドイツのB2B市場における需要回復を示唆。特に機械・設備分野での商機が見込まれる
  2. 財政刺激の恩恵:公共投資拡大はインフラ・建設関連のビジネスチャンスを創出
  3. 成長予測の改善:KfW 1.5%、EC 1.2%と複数機関が上方修正。市場参入のタイミングとして好ましい

リスク要因

  1. 雇用環境の悪化:22/46業界団体が人員削減を予想。採用計画への影響に注意
  2. Bund利回り上昇:Goldman Sachsの3.25%予測が実現すれば、資金調達コストが増加
  3. CBAM不透明感:炭素国境税の制度変更リスク。製造業の輸入コストに影響の可能性
  4. 保護主義の深刻化:自動車・繊維など輸出依存業界での生産減少が拡大

来週の注目イベント

日付 イベント 注目ポイント
2/16(月) MSC最終日 防衛・安全保障の結論
2/17(火) 独ZEW景況指数(2月) 投資家心理の方向性
2/18(水) EU貿易統計(12月) 輸出回復の持続性
2/19(木) ECB議事録(1月会合) 金利据え置きの根拠
2/20(金) 独PPI(1月) インフレ上流の動向

本レビューは2026年2月15日時点の情報に基づいています。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

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